トップページ » 君を愛してるからわかった

君を愛してるからわかった

画像はイメージです

私はサレた側じゃなくて、しちゃった側なんだ。
片思いが両想いになって、結果的には不倫になって旦那にバレちゃって離婚。
今でも後悔してるよ。

元旦那とは大学のサークル仲間で、大学生のときから5年付き合って結婚。
卒業後はお互い別々の会社に就職してたよ。
元旦那は技術職で、帰りは結構遅かった。
私は私で、会社の数少ない営業だったから接待だの何だので総合職の子たちよりはずっと帰りは遅かった。


お互い仕事が忙しかったから、家に帰ったときはお互いに気を遣って愚痴の言い合いなんかもよくしてた。
だいたい旦那がじっと聞いててくれたんだけど。

結婚して3年目の春に、ある男の子が入社してきたんだ。
顔立ちがパっと光ってるわけでもないんだけど、妙に落ち着いた感じで、雰囲気が可愛い感じの男の子。
社会人一年生とは思えないくらい、大人社会に溶け込んでる子だった。

配属先は私と同じ営業。
OJTってことで、研修期間の3ヶ月間私が受け持つことになったんだ。
最初は正直「ちょっと変わった子だな」くらいにしか思わなかった。

研修期間の3ヶ月は特に何もなく無難に過ぎていった。
社会人1年生にとっては、仕事の何もかもが目新しいからやっぱり大変だったんだと思う。
私もそうだったし。
でもその子は残業も嫌がらずに、接待も一緒に行ったりして徐々に成長していったよ。
可愛い弟ができたみたいで、私も大変だったけど楽しかった。

そして、研修期間が終わって、私の手から離れる日にお疲れさんってことで二人で飲んだんだ。
その子の話は旦那にもしてたし、旦那も昔を思い出してか「キッチリ先輩の役目、果たしておいで」と快く行かせてくれた。
もともと温厚な旦那だったけど、何より私を信頼してくれたからだと思う。

仕事が終ったお酒の席で仕事の話ばかりになるはずもなく、初めて彼の個人的な話を聞くことができた。
片親しかいないので働き出した今、できる限りの親孝行をしたいだとか学生時代の面白い話だとか、結婚を考えている彼女がいるだとかありきたりの話だけど、接待なんかで聞かされるしょうもない話に比べたらずっと実のある面白い話だった。

このままお別れってのも寂しかったので、携帯のアドレス交換したんだ。

「なんかあったらお姉さんに相談しなよ~」ぐらいの気持ち。
仕事のヘルプなんかもできたらとか思ってたし。
そのときは別に好きだとか、そんな感情はなかった。
若いっていいな~、可愛いな~ぐらい。

それから、私もすっかり普段通りの生活に戻った。

彼が私の手を離れて2ヶ月を過ぎた頃、アドレスを交換したことを忘れかけた頃に彼からメールが届いた。

「やっと商談がまとまりました~!」って内容。
どうやら私に最初に伝えたかったらしい。

「おめでと~、頑張ったね~!」って返した。
彼が外回りから戻ってきたときにもう一度おめでとうと言って「今夜時間あいてたらご飯食べにいこっか!ご褒美におごってあげる!」って軽い気持ちで言ったら「え!いいんですか?行きますよ~」って彼も乗ってきた。
彼に対して気持ちは全然なかったから、本当に同僚と食べるくらいの軽い気持ちで誘ったんだよね。

普段は大人しい彼が、この時ばかりは興奮してずっと喋ってた。
やっぱり同じ職種は自分が苦労してるから、相手の気持ちがよくわかるんだよね。
彼も私も上機嫌でこの日は帰った。

んで、翌朝からちょっとしたメール交換が始まったんだ。
気があったとかそういうわけじゃないんだけど、なんとなく。

最初は仕事の話とか、軽い挨拶程度だったんだけどあるメールで結婚を考えてた彼女と別れたってことを知らされた。
社会人になってから価値観が変わるのはよくある話だし、私の周りの友人でも何人か別れた人もいた。
その時はただ話を聞いてあげるしかできなかったけど。
ただ、彼が彼女を凄く大事にしてたのは話を聞いてて知ってたので、私もちっと悲しくなった。

たぶん、この頃からちょっと気になりだしたんだと思う。
旦那は旦那で帰りが遅かったし、会話の数もちょっと減ったから彼と話すことでそのバランスを埋めていた気がする。

しばらくして、本当に久しぶりに彼と飲む機会があった。
お客の接待の帰りにお疲れさんってことで。
そのときに彼が別れた彼女の話を聞かせてくれた。
彼女に好きな人ができて彼のことを考えられなくなったこと、「要するにフラれたんですよ」って彼は言った後に「でも、俺も好きな人って言うか心に入り込んできた人がいて彼女に悪いから、お互いのためには良かったのかもしれません」って言った。

ちょっと心がドキッとした。
正直親近感みたいなものを彼に感じてたし。

予想がつくと思うけど、帰り道で彼に告白された。

「好きです」って。

ああ、彼の心に私が入り込んじゃったんだってちょっと申し訳なくなった。
私は何もしたつもりはなかったけど、何かがあったから彼の心に入り込んで結果彼女と別れる形になっちゃったんだって。

申し訳ない気持ちと、ちょっぴり嬉しい気持ちのせいか「ありがとう。何か嬉しいよ」って彼を抱き締めてしまったんだ。
この日はそれだけだった。
彼も「ごめんなさい」と言ってその日は何もなく帰っていった。

この日のやり取りのせいで彼のことを色々深く考えるようになってしまって、気がついたら彼のことを好きになってた。
半分くらいは同情に近い気持ちと親近感でできてたんだろうけど。

ここでやめとけば良かったんだよね、今思えば。

2週間に一度くらい飲みにいくようになって、何回か二人で飲んだ帰り道に、彼に抱き締められてキスをして、「私も、好きだよ」って言ってしまったあと初めてホテルで抱かれて。

一度踏み外しちゃうと変に感覚がマヒしちゃうもんだなってその時は気づいてなかったよ。
ほんと。
気がついたら2週間に一度のお酒と、そのあとホテルに行くのが定番化してた。

旦那のことはちゃんと考えてたんだけど、彼と一緒のときは罪悪感はどっかに行ってて、もう彼しか見えてなかった。
でも、旦那と離婚して彼と結婚しようとか考えもしなかった。
実際、旦那との会話はゼロじゃなかったし、夫婦生活もゼロじゃなにしろちゃんとあったし。

浮気してるんだけど、頭の中じゃ浮気という考えはなかった。
でも旦那にバレたらマズいってことだけは分かっていたから携帯のメールは極力使わないようにしたりしてた。
携帯覗くような旦那じゃなかったから別に必要なかったとは思うんだけど。

でもね、旦那は気づいてた。
別に帰りが遅くなる日が極端に増えたわけじゃない、携帯のロックをかけたり触ったりする時間が増えたわけじゃないムダ遣いをしたり、新しい下着を隠して買ったりしたわけじゃない、表向き何も変わってないはずだったのに。

ある日、彼と一緒にホテルから出たところに車が止まってて中から旦那が出てきた。

「え?何故?どうして??」

私の頭の中は混乱状態になってた。
何も証拠と呼べるものは残していなかったのに。

「今まで苦しめてゴメン。離婚しよう」

再構築を提案する前に旦那から先手を打たれた。
私は一瞬で現実に戻って「私は苦しんだりしてない。私が悪いんだから、あなたが誤る必要なんてない。許してください。やり直してください」って言ったんだけど、旦那は物分りが良い反面頑固な部分があったから彼自身悩んで決めた意志を曲げてはくれなかった。

けど、決して修羅場でトゲトゲした雰囲気になることもなく翌日には優しく「おはよう」と言ってくれた。
彼は責任を感じて、翌日に辞表を出していた。

何かを感じた旦那は興信所に頼んで調べてもらったらしい。
結果は当然黒だったから、それから旦那なりに悩んで決めた結果だったみたい。
慰謝料請求はなし、財産分与は折半という形で離婚が決まった。
私もさすがに諦めざるを得なかったよ。

旦那は最後まで声を荒げたり、浮気した理由を問い詰めたりはしなかった。
問い詰めて私を追い詰めるのをあまり好まなかったみたい。
よっぽどいい人過ぎるのか、今考えたら旦那だからだなって思う。
それくらい優しい人だったし。

離婚届に判をつくとき「どうして私が浮気してるって分かったの?」と訊いたら、旦那は暫く考え込んで「キミの旦那さんで、君を愛してるからわかった」と言いました。

もうね、涙が止まらなかった。
でも私が落ち着くまでずっと旦那は頭を撫でてくれてた。
改めて愛されてたんだなって思うと同時に、自分がどれだけ罪深いことをしてしまったんだと心底後悔したよ。
最初は軽い気持ちだったのにって。

今でもその言葉が耳から離れないよ。
旦那と再婚したいと思うこともあったけど、それだけのひどいことをしたかって思うと、とてもじゃないけど顔をあわせられない。

今年で35になって、男性のアプローチを受けることもあるけど、優しい元旦那の顔が思い出されて、どうでも良くなってしまう。
やっぱり私には旦那しかいなかったんだなと今でも思うよ。
だから、まだ1人でいる。
たぶん、当分このままだと思う。

長々と申し訳ない。

恋心を抱いているうちはまだ引き返せます。
相手からのアプローチがある前に、自分からその均衡を崩すキッカケを与えてしまう前に、心に蓋をすることも大事なんですよ。

本当に大切な人は誰なのか、もう一度よく考えてみませんか?

元旦那は、離婚した後引っ越したことまでは知ってるけどその後どうなったかは聞いてないです。
元旦那の実家に問い合わせれば教えてくれるかもしれませんがそんなことできた立場ではないですし。

離婚してもう数年経ってるから向こうに新しい奥さんがいたら迷惑でしょう。
だから、私から探そうとは思ってません。


コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星